作品情報
作品名 | 住みにごり |
作者 | たかたけし |
出版社 | 小学館 |
掲載時期 | 2022年〜 |
掲載誌 | ビッグコミックスペリオール |
単行本 | 1巻〜 |
あらすじ
僕の実家には怪物たちが住んでいる。
29歳、夏。会社から長めの休みをもらった僕は、久しぶりに実家に帰省した。住んでいたのは父母、姉、そして35歳、無業無言の兄だった…。これは変な家族なのか?それとも家族は変なのか?新ホームドラマ、登場!ビートたけし氏、麒麟・川島明氏、絶賛!! 漫画クチコミサイト「マンバ」にて新連載ランキング1位獲得!超話題作!!
小学館HPより引用
主な登場人物
弟(西田 末吉)
家を出て東京で働いていたが、長期休暇をもらった為実家に戻ってきた。
実際は仕事を辞め、生活に困った為帰省したのだが、その事実を隠している。
個性的な家族達に振り回される事が多い、性格や身体共に平々凡々な男。
出典:住みにごり コミックス1巻より
兄(西田 フミヤ)
末吉の兄。見た目も言動もすこぶる個性的。極端に無口であるが、不満があると態度に出がち。その為、他者とのコミュニケーションに難があり、職も就いていない。また、強い不満があると暴力的な行動を取る事がある。何をしでかすか分からない、危険な雰囲気を常に漂わせている。
出典:住みにごり コミックス1巻より
姉(?? 長月)
言いたいことはハッキリ言うし、やりたい事は押し通す性格。その反面、末吉の相談相手になったり、個性的なフミヤにも分け隔てなく接するなど、家族想いな一面も。結婚し家を出ているが、定期的に実家に戻ってきている。
出典:住みにごり コミックス1巻より
父(西田 ??)
フミヤに次いで個性的な存在。過去は酒乱で、家庭内暴力が日常茶飯事だった様子。
今は酒を控えているとの事だが、不満があれば食卓を蹴り倒したり、家族に罵詈雑言を並べるなど、酒を控えて何が変わったのか甚だ疑問。イライラが最高潮に達すると家の中で爆撃の様な音をたてて垂直跳びをする。
出典:住みにごり コミックス1巻より
森田 純夏
末吉の同級生であり幼馴染。末吉の兄であるフミヤとも親交がある。元レスリング部であったが、現在は書店の店員をしている。末吉に想いを寄せている?
出典:住みにごり コミックス1巻より
この巻の概要
・実家に戻った末吉は、兄であるフミヤが通り魔殺人をする悪夢を見て目覚める。
・フミヤは何故か血まみれのキャベツを付着させていたり、部屋に南京錠を付けて他者からの干渉を完全に拒絶したり、危険な匂いを漂わせまくる。
・父とも再会するが、過去の酒乱っぷりと比べると落ち着いてはいるが、フミヤに対し罵声を浴びせたり、不機嫌になると暴れ回るご健在っぷり。
・フミヤは父の排便中、扉の上の隙間から酒瓶を投げ入れる。酒瓶は父の顔面当たり軽症を負う。扉越しに投げた為、誰の仕業かはバレなかった模様。
・末吉が純夏と再会。お互い意識しあっているのか、遊ぶ約束を取り付ける。
・フミヤが漫画のエロシーンの切り抜きに囲まれた自室に籠り、盗んだ純夏の名札で自慰行為をしている。地獄の三角関係の様相を呈する。
・姉の提案により、西田家の兄弟姉の3人と、純夏、書店員2人で合コンをする事に。純夏を見つめるフミヤの目はひどく澱んでいた。
感想
兄であるフミヤが通り魔殺人をする悪夢を見る。というご機嫌な始まり方をする本作。独特な絵と相まって、1話から読者の心を折るレベルの気持ち悪さを発揮しています。このページを見て本を閉じた人もいたのでは・・・
また、この1巻では物語が大きく進行している訳では無いのですが、作中で不穏な空気が流れ続けています。いつ何が起きるか分からないハラハラ感もまた良いですね。
出典:住みにごり コミックス1巻より
↑1話目から読者の心を折る衝撃のページ
また、この画風を活かしたヤバイキャラのヤバイ人感の演出が素晴らしい。(主にフミヤと父)
ただ、ギャグなのか本気なのか、捉え方に困るシーンがあるので、2巻以降でこの作品の方向性をしっかり理解していきたいですね。
逆に、今の所まともそうな母はこの作品に似つかわしくないキラキラの目をしているので逆に怖い。
さて、純夏との交流以外何一つ明るい情報が入ってこなかった1巻、次巻以降もロクでもない展開になる予感しかしません。いやぁ楽しみ!!
個人的には、長月が作中で言っていた「(兄を)勝手に自分の中で怪物にするな」というセリフから、フミヤではなく、末吉が徐々に狂気に染まり、そして通り魔へ・・・といった展開になるのでは。と勝手に予想しています!
着地点が全く読めない本作。興味のある方は是非手に取って、自分なりの考察をしてみてはいかがでしょうか?
こちらは画風が不気味さをより際立たせた名作。興味のある方は是非読んでみてください。