作品情報
作品名 | 5時間目の戦争 |
作者 | 優 |
掲載誌 | ヤングエース |
単行本 | 全4巻 |
世界の終わりが明日でも、きっと私は恋をする。
開戦から五年。新しい授業が始まった。新学期早々、正体不明の敵との「戦争」のため、 徴兵を宣告された離島の中学生たち。ところが体力自慢の朔と、その幼馴染で料理が取り柄の都だけは、なぜか出兵不適格と判断され…。
ヤングエースUPより
少年少女は戦争に立ち向かう
愛媛県の青島に住む彼らはどこにでもあるような日常を過ごしていたが
教室で時間割表を見た主人公、双海朔
は金曜日の5時間目に【戦】の文字があることに気づく。
その後、担任から戦争がカリキュラムに組み込まれることを知らされ、銃を扱えることを喜ぶ男子や戦争を不安に思う声など様々な反応を示した直後、本土では爆炎が上がる。
その余波の爆風で教室の窓ガラスが割れ皆が呆然とする中、担任から今から出征する生徒の名が告げられる。
朔が秘かに思いを寄せる東京から疎開してきた篠川零名 。出征者として指名され零名のおびえた様子をみた朔は自身が代わりに出征すると志願するが担任から出た言葉は
「双海朔 それから安居島都
この二名だけは今回も今後も出征する資格はない」
であった。
自分たちは何と戦っているのか
生徒たちが出兵する中で人型の敵と会敵する。
なんとか敵を撃ち倒すのだが、その顔を見て驚愕する。
まさにその敵を撃ち倒した生徒にうりふたつの顔をしていたのだった。
その情報を島に持ち帰ると「敵と入れ替わっているんじゃないか」と疑心暗鬼になるクラスメイト達。
自分達が戦ってる未知の敵は一体何なのかという疑問だけが残され、暴走してクラスメイトに銃を向けてしまう生徒まで出てしまう…。
みんないなくなっていく…
出兵して無事に帰ってくるクラスメイトもいればそのまま帰ってこないクラスメイトもいた。
クラスメイトがいなくなる一方で朔と都だけは出兵することなく友人たちを励ましたり食事を用意したり献身する。
そんな中で関前 が戦場から四角い箱を持ち帰る。島にいる中での年長者、シゲノブに訊くがその答えは得られなかった。しかし、シゲノブは島の神様「みのかみ様」の存在について言及される。
島の人間はみのかみ様から生まれるが戦争が始まって5年間、誰一人生まれてきていない。
そしてとある存在から関前が持ち帰ったものは「ヒニンヤク」であると明言され物語が一気に動き出していく…。
最後に
作者のオリジナル作品の本作
この作品を知らなくても「おおかみこどもの雨と雪」はご存じの方も多いのではないでしょうか?
こちらも人間関係、特に家族について考えさせられる物語ですね。
僕個人の感想としては
序盤は「結城友奈は勇者である」
終盤は「ぼくらの」
に似た物語だと感じていました。
どちらも理不尽な敵や状況の中で仲間たちと立ち向かう話ではありますが結末はそのどちらでもないというのがよく練られた話だと感じます。
物語の後味としてはすっきりはしないものかとは思いますが続編が出来るなら完全にこの作品を保管してくれるんじゃないかと期待できるものになると思いますので
続編に期待!
※公式アナウンス等はございません