作品情報
作品名 | バンオウ―盤王― |
作者 | 作者 綿引智也 作画 春夏冬画 |
掲載誌 | ジャンプ+ |
単行本 | 1巻〜 |
永遠の命を持て余していた吸血鬼・月山が出会ったのは“将棋”。将棋の奥深さに魅了された彼は三百年を経て圧倒的な棋力を手にしていた。人間社会で正体を隠してきた月山だが、馴染みの将棋教室を救うために最高峰の棋戦・竜王戦に挑戦することに! 凡才吸血鬼VS天才棋士。将棋界を揺るがす戦いの幕が上がる!
Amazonより引用
どんな漫画?
吸血鬼であり、長年人間として生活を続けてきた月山。ある日、将棋の奥深さに魅入られ、300年の月日をかけて腕を磨いてきた。
現代の月山は、将棋の強いおじさんとして、とある将棋教室で将棋を楽しんでいたが、教室のビルが取り壊しされることになる。
今まで目立つ行動を避けてきた月山だが、教室を守る為、棋士になり、賞金で教室を守る事を決意する…
無害極まりない吸血鬼達
月山を含め吸血鬼は複数名登場しますが、現代に完全に馴染んでいます。
日光に当たると大幅に体力を消費するものの、その場で灰になるといった極端な弱点でない為、周囲の人間に悟られないよう、夜を中心に生活しています。
また、吸血鬼故の食事も、保存されてる血液パック等を接種している為、月山が人を襲う描写はありません。
血生臭さを極力排除し、吸血鬼コメディ漫画と将棋漫画を見事に両立させています。
凡才の棋士
月山は長年にわたって将棋と向き合った故の強さを持っていますが、残念ながら凡才です。地方の大会などでは敵なしですが、棋士相手となると遅れを取り始めています。
対局を研究されたり、相手の騎士の方が実力が高かったりと…話が進むに連れて苦戦を強いられていきます。
その実力差を、ずば抜けた経験値というアドバンテージでどう埋めていくのか・・・。これからの展開が非常に気になるところです!
盤上競技のジレンマ
盤上競技漫画の難しい所は、主人公の強さや成長にいかに説得力を持たす事ではないかと筆者は思っています。
他の漫画では、理屈じゃないレベルの天才であったり、何か突出した才能を活かした戦略を立てたり、過去の偉人が憑りついて師になったり。と様々な手法でその強さに説得力を持たしています。
今作は、吸血鬼の特性てある長寿を武器に、何百年も将棋に向き合い続けたという点で、彼の強さも、また強敵と戦う事でさらに成長していく事に説得力を持たしています。
将棋漫画としても楽しめるが…
将棋漫画として楽しめることはもちろんですが、吸血鬼であることを隠し通しながら将棋を指す事で、吸血鬼の苦手な日中の長時間の対局で疲弊し病院に担ぎ込まれたり、吸血鬼を追う組織に狙われたりと…そういったスリルサスペンス(?)要素もあり、対局以外の描写にも読んでいて飽きさせない工夫がなされています。
さいごに
筆者は駒の動きもしっかり覚えていないレベルで将棋を打てないのですが、それでも非常に楽しく読んでるので、将棋をやっている人はもっと本作を楽しめると思います。
気になった方は一度手に取ってみてください。
価格:680円 |
それではまた!!